企業活動におけるデジタル技術
在宅ワークに対する労働者の期待が高まる中、法律に遵守した労働環境を安定的に提供し続けるためには人事労務に関わるシステムの改善は必須であると考えられます。さらに、在宅ワークをはじめとする新しい働き方を提供していくことが、今後の企業活動として社会から求められていることだと認識をしております。
イントロダクションでは、設立時より人事労務システムの内製化を進めており、次にお示しする取り組みを行ってまいりました。
1)タイムカードやExcelによる勤怠管理を廃止し、出退勤アプリを導入することで、勤怠データ(位置情報を含む)の信頼性を高めています。このシステムにより、在宅勤務の真実性が保証されると同時に、改ざんのリスクを排除し、企業と従業員双方に公平な環境を提供しています。さらに、勤務時間をシステムによって監視・分析することで、36協定の上限である45時間を超える前に段階的にアラートが発生すると同時に部門間での高負荷状況を数値として把握できるようになったことで平均残業時間を7.8時間まで低減させることが出来ました。
2)給与計算業務は人の手によるものであったため、避けられないミスとそれに伴う確認や修正作業が発生していました。しかしながら、給与明細の作成、給与支払い管理、社会保険や税金の手続きといった経理関連業務を自動化したにより、経理業務にかかる人的コストを大幅に削減し、ほぼ無に等しいレベルまで効率化を実現しています。さらに、自動化システムは限られた管理者のみが給与情報にアクセスできるよう設計されているため、従業員間で給与情報が不用意に知られてしまうといった問題も生じません。今後は、人事評価等の人事労務情報をもとにAIが給与査定を行うというような利活用ができないか検証を行う予定です。
また、2024年には健康経営優良法人2024 ブライト500にも選ばれ、健康経営を推進していくうえでも、自社システムの重要性は年々高まっていると感じています。
今後は、AIを用いて健康診断結果やストレスチェック、人事評価などのデータ分析ができる機能を強化するとともに、intra-martやSalesforceのようなプラットフォームにおけるエンジニアの育成にも力を入れ、紙による契約手続きなどのレガシー業務をクラウドシステム化するなど、社内のデジタルトランスフォーメーションを推進してきたノウハウをもとに、AI等による業務自動化コンサルティングにも力を入れてまいります。
DX推進と経営戦略
2025年には「事業承継問題」、「人材不足」といった問題が企業へ深刻な影響をもたらすと言われています。紙ベースで人事労務を行っていれば事業承継時の手間が増えるかもしれませんし、人材不足による過重労働や生産性の低下が発生する可能性も考えられます。
弊社が人事労務システムの内製化において培ってきたスキルやパッケージソフトを用いれば、そういった問題を解決することに貢献できると自負しております。
また、ローコード・ノーコード開発の市場規模も年々拡大しており、誰もがシステムを構築できる時代が来ることは、そう遠くない未来のことであるとさえ考えられます。そのため、弊社ではRPAやAIに限らず、intra-martやSalesforceといったプラットフォームでのエンジニア育成にも注力し、企業価値の向上を目指す方針を確立しています。
今後は、育成したエンジニアによってレガシー業務をクラウドシステム化することや、AIを取り入れた人事労務システムの強化などにより、社内システムの利便性や企業の競争力が上昇するだけでなく、提供している製品に新たな付加価値をもたらすこともできると期待しています。
2つの業務モデル
人事労務システムの導入支援
弊社の人事労務システムは、勤怠管理から給与計算に至るまでの情報を一元管理し、多面的に活用できるように設計されています。
今後は、健康診断の結果や人事評価などの情報も対象としてAIで分析することで、企業の競争力を向上させると同時に、従業員の作業効率を向上させるシステムへとアップグレードしていきます。
この基盤を活かし、各クライアント企業に最適化したシステムをご提案することで、人事労務システムに集約された情報を様々な角度から自動分析し、経営に役立つ貴重な情報を提供することで、DXの推進を強く後押しします。
業務自動化コンサルティング
IT技術を駆使した既存業務の自動化に際して、業務の分析や効率化に関するコンサルティングはもちろんのこと、VBAやRPA、AIを活用したツールの操作方法や作成方法に関しても、従業員の皆様への支援を行い、DX推進に貢献してまいります。
これまで以上に社内外への支援体制を充実させられるよう、ローコード・ノーコード人材の育成に力を注ぎ、毎年1名のOJT枠を設けるとともに、自動化ツールの資格取得を促進し、毎年少なくとも1名が合格するよう目標を設定しています。
DX戦略の推進体制
イントロダクションではDX推進委員会を設置し、執行役員会と連携を取り、代表取締による意思決定に基づき、全社を挙げてDX推進体制の強化を図ります。
さらに、AI活用における研究会も発足させ、DXの推進を強力に後押ししていきます。
DX戦略を加速させるために、ローコード・ノーコードの専門人材を育成するために、毎年1名以上のOJT枠を設けるだけでなく、DX関連の資格取得を促進し、毎年少なくとも1名が合格することを目指して予算も確保しています。
達成度の指標
次の3点について、目標を達成できているか毎年評価を行います。
・ローコード・ノーコードの人材育成において、1名以上のOJT枠を設けることができていること
・人事労務システム等の自社開発に対して、これらの従業員が参画している割合
・健康診断や人事評価などの情報を多角的にAIで分析するシステムの確立
半期ごとに中間評価を実施し、結果を基にDX推進委員会にて次期戦略の見直しや推進状況の管理も行います。
人事労務システムへのAI導入については定量的な評価は難しいことが想定されているため、その都度、追加した機能によって得られた内容や今後の展望について評価を行います。
DX戦略策定にあたって
この度、弊社はDX戦略を策定し、日本のDXに貢献してゆくことを明確に致しました。
これまで弊社はSES業務を主な柱として成長してきました。さらなる飛躍のため積極的に新しい分野に進出して行こうという思いを込めて、DX戦略を発表いたします。
今回のDX戦略の大きな柱として、人事労務システムの導入支援事業と業務自動化コンサルティング事業の立ち上げを掲げました。在宅ワークをはじめとする新しい働き方を労働者が求めている時代に法律に遵守した労働環境を安定的に提供し続けるためには人事労務に関わるシステムの改善は必須であると考えております。
各企業様のDX戦略においても働く人々を単純作業から解放し、より生産性の高い働き方へと昇華させることは可及のミッションであり、人事労務システムの導入支援事業及び業務自動化コンサルティング事業により、労働者の働き方や暮らしをより快適にすることができると信じております。
近年、IT業界を越えて生成AIへの認知が一般化しつつあると皆様も感じておられるかと思います。私たちの会社でも、生成AIの導入に始まり、次世代を担う新たなエンジニアの育成に力を入れております。
今後は、新しいサービスを創出することが重要だと考えており、AIを取り入れた人事労務システムを開発できれば、製品に新たな価値をもたらすことができるでしょう。
さらに、RPAとAIの組み合わせにより、これまで自動化が困難だったあいまいな作業も自動化の対象となる可能性があると考えます。
ローコード・ノーコード開発の市場規模も年々拡大しており、誰もがシステムを構築できる時代が来ることは、そう遠くない未来のことであると生成AIに関する記事を読むたびに感じさせられます。そのため、弊社でも従来通りの開発業務だけでなく、RPAやAIを利用した自動化の推進やintra-martやSalesforceといったプラットフォームでのエンジニア育成にも注力し、企業価値の向上を目指す方針を策定しました。
最後に、現在のDX戦略の推進状況についてもご報告いたします。昨年より、DX推進委員会を設立し、人事労務システムの導入支援と業務自動化コンサルティングの事業を開始しました。
今年に入り早速、AIを活用した業務自動化のコンサルティング依頼もいただいており、2028年までには、これらの業務における年間売上の割合を20%以上に引き上げることを目標に掲げています。
さらに、中長期戦略として、ローコード・ノーコード人材の育成にも力を注ぎ、毎年1名以上のOJT枠を設けるとともに、自動化ツールの資格取得を促進し、毎年少なくとも1名が合格することを目指しています。最終的には育成したエンジニアの自社開発における参画率を上げていくことを指標とします。健康診断や人事評価などの情報を多角的にAIで分析するシステムの確立についても、継続的な改善を行います。
引き続き、中間評価の結果を基にDX推進委員会にて次期戦略の見直しや推進状況の管理を行います。
今後のDX戦略の推進状況につきましては、逐次報告致します。
2024年 4月 1日
株式会社イントロダクション
代表取締役 髙橋勇也
問い合わせ先 DX推進委員会(03-6709-6869)